2023/03/08
3月9日(木)は全日予約診療になります。
日本人は世界一座っている!?
日本人は世界一座っている!?
世界20カ国の総座位時間の平均が300分/日に対して、日本では420分/日と平均から2時間も多い結果となりました。そして、日本は世界一座っている国であると示されました。
「座ることがあなたを殺す」とは?
ここ数年で、世界中の研究者達が座り過ぎによる健康リスクについて言及しています。具体的には、以下のような内容になります。
・座りすぎが肥満や糖尿病、高血圧、がんなどの病気を誘発し、世界で年間200万人の死因になっている(2011年・WHO)
・1日11時間以上座る人は、4時間未満の人と比べ、死亡リスクは40%アップする(2012年・シドニー大学)
・1日9時間以上座っている成人は、7時間未満と比べ、糖尿病のリスクが2.5倍高くなる(2018・明治安田厚生事業団体力医学研究所)
・長時間の座位が記憶形成に関わる脳領域を薄くし、認知能力を低下させる(2018・カリフォルニア大学)
上記のように、多くの研究者達が座り過ぎは飲酒や喫煙と同じくらい健康を損なうリスクがあると警告し、「Sitting is killing You(座ることがあなたを殺す)」とまで言われているのです。
また、これらの生死に関わる重大な疾患以外にも、座りすぎが原因で引き起こされる身体の不調は多くあります。
デスクワークの弊害
椅子に座った長時間のデスクワークが原因で、腰痛、肩こり、お尻の痛みなどの身体の不調をきたしていることが分かります。
ここまで読んでいただければ、座りすぎが引き起こす健康リスクの高さについて十分に理解できたと思います。そして、世界一座りすぎである私たち日本人はより一層注意し、対策をしていく必要があると感じたはずです。
そこでここからは、「世界一座りすぎの日本人が行うべき4つの対策」として、座りすぎによる健康リスクを減らすためにオススメな4つの対策をそれぞれ紹介していきます。
【対策①】30分に一度立ち歩く
人は座っている状態では血流速度が急速に下がり、30分以上座り続けると血流速度は70%も低下すると言われています。その結果、血液循環のリズムが崩れ、血液中に老廃物や脂肪があふれ出し、血液がドロドロの状態になってしまいます。この状態が習慣的に続くと、血管が詰まりやすくなってしまうので、心筋梗塞や脳梗塞といった深刻な疾患にかかるリスクが高まってしまいます。
そういったリスクを回避することができる対策が、30分に一度立ち歩くという方法です。この対策は最も簡単で、最も効果的な方法です。
方法は簡単で、30分に一度(少なくとも1時間に一度)はトイレや飲み物を取りに行ったりと、デスクワークを中断して少しでも立ち歩く時間を作るだけです。
しかし、仕事に集中していると、いつの間にか時間が過ぎて忘れてしまうということがあると思います。なので、スマホやストップウォッチなどを使って30分おきにリマインドしてくれるような仕組みを作りましょう。Apple Watch をお使いの場合は、スタンドという機能があるので、スタンドリマインダーが通知されるたびに忘れず立ち歩くように心がけましょう。
また、「わたしのオフィスでは頻繁に席を離れるのが難しい。」という人もいるかと思います。そういった方の場合は、30分に一度デスクの前で立ち、かかとを上げ下げしたり、スクワットをするだけでも効果的です。
【対策②】スタンディングデスクの導入
スタンディングデスクを導入して、座って仕事をする時間と立って仕事をする時間を交互に行うワークスタイルを取り入れるという方法です。
スタンディングデスクを導入することで、デスクワークを中断せずに【対策①】の効果が得られます。具体的な方法としては、30分座ったら、30分立つといったように大体同じくらいの時間を交互に繰り返すだけです。また、立って仕事をするときに、【対策①】で紹介したかかとの上げ下げやスクワットといった軽い運動も取り入れることで、より効果が得られるでしょう。
さらに、スタンディングデスクで仕事をすることで以下のようなメリットもあるのでオススメです。
・腰痛、肩こり、痔の改善
・集中力を高め、生産性の向上
・眠気の抑制
特に腰痛・肩こりの改善に関して言うと、非常に効果があります。少し個人的な話になりますが、現在筆者は仕事中にスタンディングデスクを使用しています。スタンディングデスクを使用する以前は、慢性的な肩こりや腰痛に悩まされていました。しかし、スタンディングデスクを使用するようになってからは、以前の肩こりや腰痛が嘘のように無くなり、デスクワークを快適に過ごせるようになりました。以前の筆者のように、肩こりや腰痛が酷く仕事に影響が出ているような方は、一度スタンディングデスクを仕事に導入してみるのがいいかもしれません。
【対策③】正しい座り姿勢を身につける
ここからは、椅子に座っている時に行うべき対策を紹介していきます。
長時間のデスクワークが原因で引き起こされる腰痛や肩こりを防ぐには、正しい座り姿勢を身につける必要があります。
以下で紹介する6つのポイントを参考に、正しい座り姿勢を身につけましょう。
1. 椅子に座るときは前かがみでお尻をグッと一番後ろまで引く
2. あごを引き背筋を伸ばす
3. 肩の力を抜きリラックスする
4. 椅子に肘掛けがある場合、肘は肘掛に置き、90°になるように心がける
5. ひざが股関節と平行、またはわずかに高くなるようにする
6. 机と椅子の間が開きすぎないないよう調整する